第18回いずみ春の祭典 (2008年3月9日)

  • 日時 : 2008年3月9日(日) 16:30頃(No.25)
  • 会場 : 国分寺市立いずみホール (JR中央線 西国分寺駅前)
  • 曲目 : ドゥランテ / 協奏曲 第4番 ホ短調

 第5回演奏会 (2008年6月21日)

  • 日時 : 2008年6月21日(土) 13:30開場 14:00開演
  • 会場 : 三鷹市芸術文化センター 風のホール (JR中央線 三鷹駅南口下車徒歩15分)
  • 曲目 :
    • リュリ / 「ファエトン」よりシャコンヌ
    • コレッリ / 合奏協奏曲 変ロ長調 作品6-11
    • ドゥランテ / 協奏曲 第4番 ホ短調
    • ムファット / 「調和の捧げもの」よりソナタ第1番

アンケート集計

 5回目となる自主演奏会を、三鷹市芸術文化センター「風のホール」で開催することになりました。こちらのホールは、音がバランス良く、とてもクリアに聞こえるため、バロック音楽の演奏には非常に適しているところだと思います。

 今年はゆったりとした曲を2曲お送りします。ひとつはお馴染みアルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)の変ロ長調のコンチェルト。ブルックナー「交響曲題5番」のように始まるこのコンチェルトは、フーガこそありませんが対位法的な魅力に溢れた佳作です。ふたつめはゲオルク・ムファット(1653-1704)の「音楽の捧げもの」よりソナタ第1番です。ムファット(ムッファト → Wikipedia)はコレッリと同じ年に生まれた作曲家で、くにバロがこの「音楽の捧げもの」を取り上げるのは第2回自主演奏会の第5番に続いて2回目となります。どちらの曲もただ遅いだけではなく、人の心に語りかける素晴らしい作品たちです。

 フランチェスコ・ドゥランテ(1684-1755)はイタリアはナポリの作曲家(→ Wikipedia)。ホ短調という調性を持った第4番は、第1回自主演奏会で取り上げた第1番同様、初期ロマン派にも通じるような展開を見せる曲です。対位法的な楽章を多く持つ第4番は、声楽アンサンブルのような第1楽章、「リチェルカーレ」というタイトルを持つ純器楽的な第2楽章、ゆったりとしたシチリアーノ(第3楽章)と対称的で、半音階的に絡み合いメンデルスゾーン的な雰囲気さえ感じさせる第4楽章と、どこを取っても新鮮な驚きにみちた作品です。

*****

 お忙しい中たくさんの方々にご来場いただき、団員一同心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 三鷹市芸術文化センター「風のホール」での初めての演奏会となりましたが、実は5月25日に1度ステージ・リハーサルを行っております。初めてのホールというのは、音を出すまで常に不安と期待が入り交じった複雑な気分でいることが多いのですが、チューニングのための音を出した瞬間に「くにバロにとって最も相性の良いホール」であることがわかりました。高音から低音まで、音が曇ることなく素直に響きが伝わっていくのが、まるで手に取るようにステージからも聴き取れるホールです。

 今回の目標は「美しい響き」でした。ノン・ヴィヴラートの音ができるだけ良く響くように練習を重ねてまいりましたが、あるお客様からは「自分の頭の上を音が通り過ぎて、そのあと拡がっていく感じがした」というお言葉を頂戴いたしました。また、今回のプログラムは17世紀に活躍した作曲家の作品が中心となりましたが、それぞれの作品が持つ独特な魅力を(微力ながらも)お伝えできたかな、と思っております。

 今後とも「くにバロ」をどうぞよろしくお願いいたします。